瓶会には単によく出るため頻繁に話題に登場する瓶の他に、独特なデザインや非常に希少なためにシンボルや伝説のような扱いを受けるものもあります
そんな中でも特に有名なものに、京都に存在したシロップ・飲料メーカーの万仁合名会社があります
この会社の製品といえば[ピース]!
トレードマークの鳩がデザインされているのも特徴です
今回はその中でも最も有名と思われる瓶を紹介します
それがコチラ!
どうでしょう、まるでフラスコのようではありませんか?
この特異な形状もさながら、丸みのある下部のポッテリした部分にエンボスがグルリと一周しています
左回りに見ていきましょう
[PEACE スーピ]
ピースは平和、つまり…
そのシンボルは鳩ですよね!
[鳩]の字だけでなく向かい合う二羽の鳩までエンボスされています
有名な話ですが、[平和=鳩]の印象はノアの箱舟の神話にちなみ、神々が地表を水浸しにしてしまった後、船上の人が鳩を放したところオリーブの木の枝を咥えて戻り、水が引いて陸が出ていることを示したことから、古代ギリシャ・ローマ時代に安住・平和のシンボルとされるようになりました
この認識が世界共通になるのは、スペインの巨匠パブロ・ピカソによって描かれた、1949年のパリ国際平和擁護会議のポスターに拠るものだという説もあるようですね〜
サンタクロースの赤服はコカ・コーラの広告によってついたイメージだという話と共通する部分があるように思えます
[SYRUP プッロシ]
このカタカナのレタリングもデフォルメ的で、とても可愛いですよね!
[舗本 都京]
地元の会社ってだけで不思議と愛着が湧きます
この瓶にとっても里帰りになったかな?
[万仁合名會社]
[名]の字は嘉納合名会社の[白鶴]にも見られる、[君]のような異字体になっています
他の瓶では[萬仁]と旧字体になっていますが、この鳩シロップは[ー]の下の部分が[力]の形になっている、旧字チックなものです
底を撮ってみました
単なる容器とは思えない造形ですよね 芸術品ですよ!
このポッテリぶりを見ているとアンバーのエンボスたっぷりな接着剤[イトイラズ]を連想します
あちらも欲しいところですがあまり出ておらず、更に中身を取り出すのが大変らしいです(笑)
口は機械栓のような形をしていますが、ガラスのカップを被せるタイプです
以前確認した完全品の画像では、カップの底に[プッロシ ーヒーコ]とのラベルが貼られているのを確認しました
しかも、そのカップ、鳩のエンボス入りなんです!
[蓋がない]というのは瓶会では共通の問題ですが、蓋のデザインの有無はかなり響きます
以前パピリオ化粧品の陶器製瓶の蓋がなぜか全然出ないという話題を目にしましたが、私自身は瓶自体がとっても素敵で、蓋に特段デザインがないので出なくてもいいかな、という心持ちです
いや、もちろん蓋があればより良いですが(笑)
でも今回の場合、そのエンボス入りのカップがないとなると途端に半端な感じに思えてしまうんです
これはきっと、無地に比べてオリジナル性が格段に増すからでしょうね〜
このカップがどんな形であれヒョッコリ姿を表すことを願っています!
といってもこの瓶がディグで出た事例を見たことがなく、瓶のガラス自体かなり薄めなので、埋まっていたとしてもカップ共々割れてしまっている場合が多そうです…
ピースの瓶はシロップではコーヒー、紅茶、果実系、またソーダなどの飲料水も製造していたようです
他にも市松文様が特徴的な
飲料瓶や、
川原の一本松さんのところでは素晴らしい瓶が紹介されていますので、そちらでもご確認ください!