令和初めの更新は、1781年に武田長兵衛氏が薬種商を初め、1898年に○の中に▲のウロコ印を登録商標にして医薬品の製造と発売を始め、今や第一三共・大塚・アステラス・エーザイと数ある製薬会社の中でも一位の業績を誇る武田製薬の製品の紹介です!
[ブロムナトリウム]
セロファンに包まれた小さな薬瓶
元からボロボロなので剥いてみました
綺麗に形を留めていて、一本の瓶みたいです(笑)
Established 1783
* CH.TAKEDA OSAKA * Incorporated 1925
ウロコ印 日本薬局方 ブロムナトリウム NATRIUM BROMATUM
25g 株式会社 武田長兵衛商店 大阪市東區道修町
A14.6.7.1247
ブロムはドイツ語で臭素の意で、ブロムナトリウムは臭化ナトリウムだと思われます
医薬品としては百年以上前だと鎮静剤やてんかんを抑える薬として使われていたようです
首に[株式會社 武田長兵衛商店 封緘之証]の封緘が巻かれています
塩野義商店のものとよく似たデザインですね
[CH.TAKEDA&CO.LTD. TAKEDA 株式會社 武田長兵衛商店]
コルク栓に貼られた小さな封緘ですが、細部まで凝った印刷です
裏には目立つデザインの[國産]ラベル
長らく薬の国ドイツからの輸入に頼っていた医薬品が、時代の進展に伴って日本で生産できるようになったことを大々的に表示しているのでしょうね
底に[20]のエンボス 容量かな?
ボトムには徳永硝子を表す∧トの整瓶記号
以前これと同じような瓶を出していますが、ラベルと中身があれば全く違ったものになりますね〜
当たり前田のクラッカー!(前々時代の遺物…)
[サルホール]
外用 寄生性皮膚病・疥癬治療劑
サルホール 「タケダ」
SULFOR »Takeda«
ヂメチルヂフェニレノヂズルフイド製剤
[用法]製剤使用の際は開栓するか、或は栓を緩めて暫時温湯に浸
し澄明の液となしたる後患部に成るべく薄く擦入せらるべし
製造発売元 武田製薬株式會社 大阪市東區道修町
B.23.1.12
ラベルはボロボロですが何とか説明部分は読むことができる状態でした
全て左読みなので戦後すぐのものかと思います
検索すると[皮膚衛生と皮膚病治療の基本]という古そうな資料がヒットしました
現在では出回っていないようですが、皮膚病に効く薬だったようです
ヂメチルなんたらというのは、ニンニクなどに含まれ独特の刺激臭を持つジメチルジスチルフィドのことかと思われます
医薬品としての用途について調べましたが、よく分かりませんでした
底には怪しげな白い固形物が沈殿…
コルク栓では流石に中身をしっかり留めておくことはできず、首周りには内容物がこびりついています
瓶の表面には一部ポッチがありました
何か意味があるのかと思いましたが、これだけなので単に作りが荒いだけかもしれません
中には琥珀色の液体、ラベルには温めると透明になるとありましたが、色が変わるなんて紫キャベツ液みたいですね〜
[アペチン]
"UROKO" BRAND ○▲100g APETIN STRONG »Takeda«
食慾催進・栄養補給劑 强力アペチン「タケダ」本品はその1瓦中に純結晶ビタミンB10.15瓱を含有する酵母劑なり。(用 量)1回1.0−1.5瓦中,1日3回服用。株式會社 武田長兵衛商店 大阪市東區道修町二丁目二七番地B15.2.27.7354.
レトロながらモダンさを感じさせる斬新な色使いのラベルです
右は以前まとめ買いで手に入った25g瓶ですが、ラベルの上に
供試品(商品見本)との記載があります
ということは今回紹介にあずかった100g瓶が本品ということでしょうか?
ビタミンB1は前回も登場した成分ですが、今回の製品は栄養分の点を商品として推しているようです
ネーミングはズバリ、[食欲]を意味する英単語appetiteからでしょう!
首に巻かれた凧糸の先には封緘のような紙がついています
上にある封緘と同じデザインで大きめのもののようで、[CH.TAKEDA&CO.LTD. TAKEDA 株式會社 武田長兵衛商店]とあるようです
ラベルの横にはまた小さなラベル
[意注 (吸濕)せざる様 密栓し置くべし]
湿気に注意するラベルは薬の瓶に見られ、わかもとの瓶にも貼られていました
底には[Aー2]のエンボス
小さい方は使用済の空瓶ですが、お陰で満天の気泡を楽しむことができます
ラベルがなければこちらの方がガラスとしてお気に入りです
底に[3Θ]のエンボス 製品に用いる瓶のサイズでしょうかね〜
[甘汞]
Established 1783
* CH.TAKEDA OSAKA * Incorporated 1925
ウロコ印 日本薬局方 ブロムナトリウム NATRIUM BROMATUM
劇 日本薬局方 甘汞 HYDF ARGYRUM CHLORATUM25g 株式会社 武田長兵衛商店 大阪市東區道修町
A17.4.22.687
[
劇]というなんだか恐ろしげな表記が目を引く薬瓶
それもそのはず、中に入っているのは塩化
水銀です!
大昔では下剤や鎮静剤として用いられ、白粉などにも含まれていましたが水銀中毒の恐れがあるために用いられなくなりました
でもこの小ささ、とても可愛い!
ちっちゃいけど危険なやつなんですね〜
瓶底には[A 10]のエンボス 製品番号かな?
お次は大日本製薬の予定です!